長崎乱楽坂 (吉田修一)

長崎乱楽坂 ★★★☆
吉田修一の作品って、結論があるようなないような
その漠然さが、逆に現実をリアルに描いている感じがして好き。
で、この作品。
ヤクザ者の一家へ出戻った母親を持つ兄弟の成長物語。
ヤクザ一門の栄枯盛衰と共に兄弟は成長する。
けど、そこは吉田修一
成長したようなしてないような、
大人になったようななってないような
最後の最後、ようやく家から解き放たれ、兄弟は何を思ったのだろう。
その余韻が憎い。