2005-04-09 長崎乱楽坂 (吉田修一) book ★★★☆ 吉田修一の作品って、結論があるようなないようなその漠然さが、逆に現実をリアルに描いている感じがして好き。 で、この作品。ヤクザ者の一家へ出戻った母親を持つ兄弟の成長物語。ヤクザ一門の栄枯盛衰と共に兄弟は成長する。けど、そこは吉田修一。成長したようなしてないような、大人になったようななってないような最後の最後、ようやく家から解き放たれ、兄弟は何を思ったのだろう。その余韻が憎い。